会議だけじゃない!MICEは特別な場所で特別な演出を

MICEと聞くと、企業の会議をはじめ、研修旅行や国際会議、イベントなどをイメージされる方が多いと思います。

そういった印象のあるMICEに、会議だけではない「特別な場所や演出がある」ことを本記事では特集しました。

従来のMICEから一歩踏み出し、参加者にとって一生忘れられない体験を提供することで、イベントの価値を高める方法について探ってみましょう。

 


目次

  1. ”ユニークベニュー”という開催場所
  2. MICE市場の現状
  3. 企業にとってのユニークベニュー
  4. 日本の現状
  5. 海外事例ータイ
  6. 国内事例ー大阪迎賓館

 

 

”ユニークベニュー”という開催場所

近年、MICEイベントにおける注目すべき変化の一つに、「ユニークベニュー」の利用拡大があります。
従来の堅いイメージのMICEに飽き足らない参加者たちは、他では叶わない”特別な体験”をすることで、よりMICEを価値あるものとして感じることでしょう。

その特別な価値を提供するポイントが、まさにその「ユニークベニュー」です。
では、ユニークベニューとは具体的に何なのでしょうか。
ユニークベニューには、2つのポイントがあります。

 

1. 独自の価値を提供する要素

官公庁によると、ユニークベニューは「特別な場所×イベントで特別な体験を創造すること」とされています。
他社や競合と比較して、特別で差別化された価値を提供する要素を指します。

 

2. 地域らしさを感じさせる特別な場所

日本、またはその地域らしさを感じさせる特別な場所、例えば、歴史的建造物、神社・仏閣、博物館・美術館、城郭などでMICEやイベントを行うことは、以下に3つのメリットが挙げられます。
① 来場者にイベント以外の高付加価値やサプライズを演出
② 地域の良さを知ってもらうキッカケ
③ 地域のプロモーション効果とMICE誘致

会議やレセプション開催時に歴史的建造物や公的空間等で特別感や地域特性を演出できるユニークベニューが、都市の差別化を図るツールの一つとして利活用が進んでいます。地域全体で誘致機運が醸成されている点から国際的なMICEの開催地決定要因の一つにも挙げられています。

 

 

 

 

MICE市場の現状

日本政府観光局のデータによると、2018 年*1 、日本で開催された国際会議の件数は、前年比 3.6%増の 3,433 件でした。

また、参加者総数は 6.6%増の1,839,694 人、外国人参加者数は12.3%増の 209,597 人でした。

*1   本記事では、2019年以降のデータは、新型コロナウイルスの影響により従来の統計データは発表されておらず、2018年のデータが最新のものとしています。

 

【データ参照元】

日本で開催された国際会議の動向

 

このように、MICEの市場規模は急成長しており、今後MICEに参加する人口も大幅に増加することが予想されます。こういった背景から、MICEが行われていた既存会場の収容力は今後限界に達する可能性があります。

そこで、大きなスペースに、歴史的、文化的価値が加わった「ユニークベニュー」が現在注目されているのです。

 

企業にとってのユニークベニュー

近年、企業のMICE活動は、ビジネス成果を最大化する重要な戦略の一環となっています。しかし、成功の鍵は単なる会議の開催自体だけではありません。それは、ユニークベニューによってもたらされる”特別な価値”です。

ここでは、企業がMICEにおいてユニークベニューを利用したくなる理由を探ります。

 

1. 魅力的な開催場所の選択

ユニークベニューは、参加者に「特別な場所」での「特別な体験」を提供します。美しい自然景観や文化的な名所が、イベントの成功に一役買うことになるでしょう。さらに、魅力的な場所での特別な空間は、参加者間のつながりを強化し、特別な体験の共有は、顧客や、共に働く仲間と、信頼と協力の基盤を築くのに役立ちます。

 

2.イノベーションとアイデアの芽生え

ユニークな環境は、参加者に新たな視点を提供し、創造的なアイデアの発想を促進します。刺激的な環境での開催は、革新的な成果を生み出すことがあるでしょう。

 

3.ブランディングとイメージ向上

ユニークなMICEイベントは、企業のブランドイメージを高めます。独自のアプローチや特徴的な要素が、企業の強みを強調します。

 

4.参加者の満足度の向上

ユニークな要素は参加者の記憶に残る体験を提供します。感動的な瞬間は、イベントの成功を印象づけ、次回の参加を促すことでしょう。

このように、企業がユニークベニューをMICE活動に活かすことは、開催場所の選定や関係構築、創造性の刺激、ブランディング、参加者の満足度向上など多くのメリットに繋がります。ユニークベニューを活用し、次なるMICEイベントを成功に導きましょう。

 

 

 

日本の現状

2023年現在、日本国内におけるユニークベニューに対する理解は十分とは言えません。

文化庁が2020年に文化財をユニークベニューとして活用した文化イベントを積極的に実施するというアクションプログラムを掲げましたが、現状では、文化財保護法や消防法、またマーキーテントなど仮設に対する建築基準法、公園法、ケータリングに際する食品衛生法などの制限が障害となり、“ユニーク”といえるベニューの利用開放につながっていないといえます。

 

しかし、そんな中でも、近年インバウンドの需要が高まり、インセンティブツアーやユニークなイベント会場として利用できる大型の場所が増えています。大規模なイベントは、主に首都圏や大都市で開催され、ホテルのバンケットルームやコンベンションセンターとは異なる会場での開催ニーズが高まっています。

海外の参加者は、日本でのMICEに日本らしさや独自のテーマ性を求めています。例えば、ホテルのバンケットルームではなく、和風の装飾を施した室内でのパーティや、伝統建築を活かした会場でのパーティのように、日本ならではのMICEを期待しています。このようなユニークべニューの開発が進めば、日本でのMICEが海外から支持されていくことに繋がるでしょう。

 

海外事例-タイ

MICEの先進国として一躍有名となったタイの事例を紹介します。

タイでのユニークベニューでは、宿泊ホテルとMICE会場が統合され、快適な環境でのイベントが実施されています。ムエタイアクティビティやホテル内オリエンテーリングなど、タイならではのユニークなアクティビティを通じて、参加者は文化に触れ、交流を深めることができます。

また、タイ王国軍施設内でのサンゴプランテーションやマングローブ植樹など、地域社会への貢献と環境保護活動を通じて、参加者は新たな価値観を得ることでしょう。このように、独自の魅力を活かし、参加者に特別な体験を提供しています。

 

国内事例-大阪迎賓館

大阪城西の丸庭園 大阪迎賓館は、1995年の国際会議APEC 95の開催に際し、各国の要人を招きもてなすために作られました。2019年にはG20の夕食会場となるなど、世界の首脳たちが一堂に会する歴史的な舞台となりました。

世界遺産である京都二条城二の丸御殿の白書院をモデルに、古式塗りなど日本の伝統の技がちりばめられた壮麗な佇まいが格別の唯一無二な空間です。

参加者は壮麗な大阪城を望み、庭園の緑を背景に格式ある空間を貸し切ってイベントに参加することができます。

 

会場詳細はこちらから

 

まとめ

ユニークベニューの活用は、企業のMICEイベントの価値を更に高めてくれることでしょう。

会議室にはない体験、ユニークな場所で、信頼関係を深め、さらに画期的なアイデアが起こるような、記憶に残るイベントを創造しましょう。

 

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